2015年4月19日日曜日

高橋 咲から

わたしは戦争中に青春を送った日本人の母と中国人の父の次女として生まれました。中国人の父はわたしが生まれた時には国に戻り、日本にいませんでした。母は英語塾を開き、わたしたち娘を二人育てました。しかし母は統合失調症にかかり、入退院の繰り返しでした。

ひとり親家庭のみなさん、現代の日本で両親がそろっていても子育てが困難な状況であるのに、ひとり親がいかに大変か、わたしも経験してきました。わたしは統合失調症の母と共に生活することを選択し、自分も未婚で二人の息子を育ててきました。ひとり親家庭の支援制度はありますが、一番大切なことは住む家の保障と社会環境だと思います。ひとり親家庭というマイノリティーという立場への施しではなく、ひとり親家庭であることを人に言える子どもを育てていける環境を作ることだと思います。社会はいろいろな環境の人々から成り立っており、そこで己が生かされているのです。マイノリティーという言葉の必要性さえわたしは疑問に思えます。隣の人の喉が渇いていたら、自分が持っている水を分け与えるのが人間です。


そして精神的病いを抱えた人々、そのご家族の方に伝えたいと思います。外見から判断されない病を背負っている方々に対する社会的理解が、この日本では実に不充分です。ともすれば病院生活で一生を送る方もいます。しかし医者との出会いで自分らしい生活を送ることもできます。わたしの母も何度も病院を変えました。諦めないでください。どこかにあなたとの出会いを待っている医師がいるはずです。そして自分なりに社会に出て行けるステップをみんなで作りましょう! 世田谷区にはそのような目に見えない病をケアする病院がとても少ないです。是非心のケアをする医療施設を作りましょう! 体が風邪をひくように、心も風邪をひくのです。

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